第10話 俺の選びたい道

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第10話「俺の選びたい道」

 

 フィーリアが新しく旅の仲間になったので、いろんなことを話しながら次の村を目指し歩いていた。コカカルーの毛はモフモフして触ると気持ちいいとか、ゴークスの怒った時の鳴き声は、村の親父の怒鳴り声にそっくりだとか。

話し方とかは、おとなしそうなフィーリアも、

モンスターの話をする時は本当に嬉しそうに、それはもう目をキラキラ輝かせて、少し口調も早くなる。

そんな会話を続けていると、次の村が見えてきた。

 

「お、そろそろ村が見えてきたみたいだぞ?」

 

すると、村の方から小さな女の子がこちらに向かって走ってきた。

 

「そんなに慌ててどうしたのです?」

「村がモンスターに……!」

「ユウさん!」

「わかってる!行こう!」

 

こんな小さな女の子があれほど慌てて走ってきたんだ。おそらくもう村にはモンスターの被害が出ている…!

村に戦える人は何人かいるかもしれないが、癒術師がいるかどうかはわからない。とにかく早く村に向かおうと走り出そうとした。

 

「……待って!」

 

慌てて俺たちに助けを呼びに来たはずの少女が、何故か村へ急ごうとする俺の腕を引っ張り止めた。

 

「どうしたんだ?」

「あの、……」

 

何やら少女は言いづらそうに、もじもじと両手の指を身体の前で交差させている。

 

「……モンスターも、助けてあげてね!」

「……。」

 

俺はその少女の言葉に、少しだけ硬直してしまった。

「モンスターも助けてあげてね」、その言葉の意味を考えてしまうほどの出来事が、フィーリアの村であった。

 

 

人間が生きていくためには、村を襲ってくるモンスターを殺すのは仕方ないことなのか?

 

 

俺はそんな問いに「いいえ」を選択したいと思う。

「甘い」、「そんなんじゃ生きていけない」なんて罵声を受けそうだ。

俺だってモンスターは怖いけれど、嫌いなんかじゃない。

そんなに簡単に奪っていい命なんてあるはずがない。

だから、まずはこぶしに力を入れるところから始めよう。

 

 

「当たり前だろ?俺は、癒し手だからな。」

 

その俺の言葉を聞いたら、少女は安心したように満点の笑顔を返してくれた。

 

 

そうさ、”当たり前”なんだ。癒術師がモンスターを救うのは。

俺はモンスターが怖いけれど、救ってやりたいと思っている。

だから目指すんだ、癒術師を。